1994 年 63 巻 7 号 p. 709-712
走査型マクスウェル応力顕微鏡 (SMM) は,探針と試料との閾の電気的なマクスウエル応力を検出する非接触型SFM (Scanning Force Microscope) の一つである.探針に,複数の周波数成分からなる交流電圧を印加することにより,試料の表面形状,表面電位・電荷,誘電率とその高周波分散などの複数の電気物性情報を,対応する異なる周波数における探針の振動から検出することができる, SMMの分解能は,クーロンカの長距離性に強く影響されて現状では数十nm程度にとどまっているが,電気力そのものに代わって,電気力こう配を検出することで,原理的な分解能向上が見込まれる.ここでは,そのための新しい手法である機械電気混変調法を紹介する.