1995 年 64 巻 6 号 p. 583-587
「AFMは本当に探針先端の1個の原子と試料表面の1個の原子の間に働く単一の原子間力を測定しているのか?」という疑問が投げかけられている.そこで,AFMによる単原子観察条件解明のためのひとつのアプローチとして,UHV-AFMを用いて化合物半導体へき開面の観察を行った.接触モードの測定では,GaAsとInP, InAs, ZnSSeの(110)へき開面で原子分解能観察に初めて成功した.またInP (110)へき開面において非接触モードのUHV-AFM観察を行った結果,初めて原子分解能観察に成功するとともに,接触モードでは観察することができなかった格子欠陥も観察することができた.