1996 年 65 巻 2 号 p. 138-142
希土類原子を添加した半導体のpn接合に通電すると,希土類原子は4f殻内遷移により発光する.特にErは1.5μm付近の波長で発光するため, GaAsやSiなどの半導体にErを添加することが試みられている.最近, Erを酸素など他の不純物との複合体として半導体に添加すると,高い濃度のErを分散させて添加でぎ,その複合体が高い発光効率を示すことがわかってきた.一方,発光効率が温度の上昇とともに減少することを抑制するために, Erをさまざまな母体に添加することも試みられている.これらは,不純物の偏析機構やエネルギー移動機構など,興味ある問題を含んでいる.ここでは,より高い発光効率の材料作成を目指した最近の研究を紹介する.