導電性高分子は電解液中で酸化・還元することにより伸縮する.ポリアニリンフィルムの伸縮率と応答速度の電解液依存性,伸縮率の負荷依存性などを調べた.電解による伸縮は酸化・還元により,負イオンを高分子内に取り込んだり,放出することが主な機構である.しかし,酸化により導電性高分子が金属なみの高い電気伝導状態になることから,高分子の形態変化やポリカチオン間の静電反発による効果も伸縮に寄与していることがわかった.また,電解液中でフィルムに張力をかけることによって,電流が誘起される新しい現象も見い出された.伸縮のメ力ニズムとアクチュエーターなどへの応用について述べる.