応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
超伝導放射線検出器とその将来への展望
Hans KRAUS
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1998 年 67 巻 4 号 p. 394-403

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抄録

近年,超伝導現象に基づく放射線センサー機能;を有する極低温検出器に関する研究が活発になされ,その検出器性能の最適化が行われている.本稿は,超伝導によるトンネル接合検出器および熱量計型検出器(ボロメーター,カロリーメーター)の2種類の検出器の動作について解説する.現在では多くの優れた極低温デバイスの動作が実証され,極低温検出器の研究の動向が明らかになってきた.このことから,検出器の単なる最適化研究から実用的な応用研究へと推移したことがわかる.極低温検出器は蛍光X線分析,可視光検出,高分子の質量分析などにも使用されようとしている.しかし,極低温検出器の性能の理論的上限値を得るには,さらなる研究開発が必要である.

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© 社団法人 応用物理学会
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