1999 年 68 巻 11 号 p. 1215-1225
次世代のシリコン超大規模集積回路 (ULSI) は,高集積化と高速化の両立という要求が強く,従来の延長線上の技術では実現が困難な状況になっている. ULSI高速化の最大の障害はトランジスタの微細化にあるのではなく,高速信号を長距離伝搬しなければならない多層配線構造そのものにあることが明らかになってきた.このため,多層配線技術開発が次世代ULSIプロセスの技術開発における最重要課題とされ,次々とブレークスルー技術が開発実用化されてきた.本報告では, ULSI微細化のシナリオであるスケーリング則の限界,および微細化による配線遅延増大の観点から,多層配線プロセス技術の現状と将来展望について述べる.