1999 年 68 巻 4 号 p. 419-423
走査トンネル顕微鏡 (STM) による表面微細加工技術を用いて, Si (111)-7×7再配列表面の表面準位を介した表面電気伝導度の直接測定に初めて成功した. Si (111)-7×7表面においては,フェルミ準位が表面準位にピン止めされ,ショットキー障壁が形成される. STM探針から注入ざれた電子は,この障壁で散乱され,表面準位を介して伝導する.われわれは,探針によるファプリケーションで表面準位を一部除去して,表面準位を介した電流経路を制御した.この手法で形成した人工構造のSTM像ではシヨットキー障壁の影響が現れ,さらに表面に生じた電圧降下の解析により表面準位電気伝導度を晃積もることができる.