1999 年 68 巻 5 号 p. 503-512
プラズマエッチングはデバイス作製に不可欠な技術であるが,ウエハーの大口径化とパターン幅の減少は,プラズマ反応器の設計にますますきびしい要求を突きつけている.これに応えるためには,電子衝突による活性種の生成,ウエハー表面でのエッチング反応のほか,原料ガス・活性種・反応生成物の流れを同時に考慮したシミュレーションが必要である.さらに,プロセスが高プラズマ密度かつ低ガス圧力に向かっていることから,電子エネルギー分布もガス分子速度分布も非平衡度が大きく,粒子モデルに基づいたシミュレーションが必要になってきている.本報告では,プラズマ反応器の計算機支援設計 (GAD) の実現を見据えながら, PIC法やDSMC法を用いたプロセスプラズマとガス流れの粒子シミュレーションについて紹介する.