光による脳機能計測では,生理学的な週程を光の信号に変換する適切なプローブの開発とそれを検出する光学系のデザインが重要である・細胞レベルの進歩としてめざましいのは, (1) 蛍光エネルギー移動や蛍光たんぱく質;を使った遺伝子レベルからのプローブのデザインと, (2) 光信号検出の技術として,共焦点顕微鏡と2光子レーザー顕微鏡の導入である.個体レベルでは,ヘモグロビンの動態や組織の物理的な構造変化に由来する内因性の信号をプロープとして,機能構造をイメージングする技術が注目を集めている.これらの技術的な進歩により,細胞レベルでは細胞の1μm程度の微小な部位のイオンの動態や動きが,また個体レベルでは情報の脳内表現という脳科学の基本的な問題に迫る基盤ができてきた.