超高真空状態で真空装置を構成する真空容器・内部部品の材料表面が真空に接すると,金属材料中に固溶する水素原子は固体内を拡散・表面で分子に再結合・真空中に脱離の過程で放出ざれるので,真空壁から放出される最大残留気体は水素となる.この過程で何が水素の放出速度を決めるのか実験から提案されている要素項目を示し,より低いガス放出速度を得るために今後何が必要かを考える.超・極高真空装置作製を計画するための資料としては,この真空構造材料からの水素放出が現在どの材料でどこまで制御できる状態にあるかの技術的水準を示す.