応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
シリコンの表面マイグレーションを利用した大面積SON (Silicon on Nothin9) の形成
水島 一郎佐藤 力綱島 祥隆
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 69 巻 10 号 p. 1187-1191

詳細
抄録

SON (Silicon on Nothing) 構造を実現する技術として,厚さは1μm以下でありながらミリメートルサイズの広さを有する平板状の臣大空洞 (ESS: EmPty Spacein Sillcon) を,シリコン基板内部に形成する技術を開発した.この構造は,サブミクロンサイズの闘孔径のトレンチをシリコン基板上に形成したのち,水素などの還元性雰囲気中にて熱処理し,シリコン原子を表面マイグレーションさせることで実現できる.さらにトレンチの初期配列を制御することで,平板状だけでなく,管状,球状などいろいろな形状のESSを形成できる.本技術は,埋め込み絶縁層の比誘電率として1という最小値を実現できる方法として,これまで期待されながら作製困難であったSON構造を従来のプロセス技術により実現できるきわめて有望な手法であり, SOI技術の代替技術となりうるとともに,微細加工技術のーつとして幅広い応尾が期待される.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top