応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
カーボンナノ構造の生成
カーボンナノチューブを中心として
中山 喜萬
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2000 年 69 巻 12 号 p. 1429-1433

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抄録

そのなじみやすい形状と超伝導姓の発現から一種のフィーバーをもたらしたフラーレン,その特異な形状と物性からにわかに注目されているカーボンナノチューブ,そしてナノサイズの電子的機械的デバイスへの応用が期待されるカーボンナノコイルなど,炭素原子からなるクラスターはさまざまな顔をもつ.特にカーボンナノチューブは,ナノサイズの太さで直径と長さの比率が103以上ときわめて高く,スチールより強じんな機械的性質をもちしかも軽い,電子的には巻き方や直径によって半導体的であったり金属的であったりと,これまでにない魅力的な特性をいくつも兼ね備えている.これら物性の基礎研究のため,さらに応用展開を晃据えて,その合成法は急激に進歩してきた.本稿では得種開発された合成法のうち,アーク放電法,化学気相成長法,レーザー蒸発法について,考えられている成長機構を織りまぜて解説する.

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© 社団法人 応用物理学会
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