2000 年 69 巻 3 号 p. 268-277
NOx, SOx, 揮発性有機化合物,温室効果ガス,オゾン層破壊ガスなどの大気汚染物質の処理技術は,触媒・燃焼・吸着法などすでに一部工業化されているが,コストや性能の面などの問題から,電子ビームやコロナ放電を利用した低温プラズマによる新技術が注目されている.この新技術の実用化には,処理効率,エネルギー効率,装置の圧力降下,副生成物のリサイクル化などの改善が必須であり,処理週程の解明,反応炉と電源の選択および設計,総合システムとしての位置づけなどの研究が必要である.そこで本論では,低温非平衡プラズマによる排ガス処理の原理およびその現状と課題を総合的に紹介する.