2000 年 69 巻 6 号 p. 676-679
表面張力の差によって気液界面に沿って液体が引っ張られる現象をマランゴニ効果という.表面張力は温度に依存するため,界面に温度差があると高温部から低温部へ対流が発生することになる.半導体微細加工技術により製作したマイクロヒーターによって,微小な蒸気気泡を生成するとともにその界面温度を制御し,そこに生じるマランゴニ効果を駆動原理とするアクチュエーターの実現を試みている.ここでは,マイクロスケール特有の熱流体現象を解説しながら,マイクロ気泡モーターやマイク団気泡振動子の開発の現状を紹介する.