応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
有機分子磁性体の新しい展開
阿波賀 邦夫
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 70 巻 3 号 p. 304-308

詳細
抄録

有機ラジカル固体の磁気的性質の研究は古いが,このような物質群に強磁性的性質を付加しようという分子磁性研究が近年急速に進歩し,有機物は強磁性体にならないといった常識は完全に打ち破られた.さらに最近は,このような静的な強磁性を追い求めた研究から踏み出し,分子磁性体の動的な側面を強調した展開が盛んに試みられている.本稿では,有機強磁性研究の流れを概説した後,新規低次元分子磁性体に見いだされたスピンギャップ状態と特異な相転移,さらに刺激応答性の分子磁性体について紹介する.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top