東京大学大学院総合文化研究科
2001 年 70 巻 3 号 p. 304-308
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有機ラジカル固体の磁気的性質の研究は古いが,このような物質群に強磁性的性質を付加しようという分子磁性研究が近年急速に進歩し,有機物は強磁性体にならないといった常識は完全に打ち破られた.さらに最近は,このような静的な強磁性を追い求めた研究から踏み出し,分子磁性体の動的な側面を強調した展開が盛んに試みられている.本稿では,有機強磁性研究の流れを概説した後,新規低次元分子磁性体に見いだされたスピンギャップ状態と特異な相転移,さらに刺激応答性の分子磁性体について紹介する.
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