最近,プラズマを制御する新しいパラメーターとして励起周波数が注目されている.すなわち,放電周波数を通常の13.56MHzからVHF帯やUHF帯に上げることによって,高密度化・低圧力化・低電子温度化を促進し,最終的にラジカル組成を望ましい方向に制御できるのではないか,という可能性に期待が集まっている.本稿では,励起周波数によってプラズマ諸量が変わる物理機構を放電形式ごとに整理して概説する.結論として低電子温度化の主な要因は,励起周波数というよりも電子加熱の空間構造にあり,体積加熱から表面加熱に移るときに電子温度が低くなることを指摘する.