超LSIの多層配線では,配線間の寄生容量による信号遅延が問題となる.この対策として,層間絶縁膜を多孔化して,実効的比誘電率を低下させることが提案されている.細孔構造は膜物性と密接に関係するので重要であるが,薄膜を非破壊で解析できる細孔解析法(ポロシメトリー)は少ない.シリカ系多孔質低誘電率材料を例として,薄膜に適用できる,新しい細孔構造解析法とその測定例について概説す'る.低誘電率材料に限らず,多孔質体のようにナノ空間を内包する薄膜は,ナノエンジニアリング上重要であり,今後,微細構造の評価手法を確立する必要がある.