応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
円偏光励起光電子顕微鏡によるミクロ磁性体の研究
今田 真菅 滋正Wolfgang KuchJürgen Kirschner
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 70 巻 5 号 p. 563-566

詳細
抄録

ナノテクノロジー技術の中でも注目度の高い磁性関連技術・材料の研究においては,磁区の観察や外部磁場への応答,ミクロ領域での磁気モーメントの評価などが必要となる。ところで,磁性体では円偏光内殻吸収において,磁気二色性 (MGD) が現れることが知られており,さらに光電子顕微鏡と組み合わせることでサブミクロンレベルでの解析が可能となる. MCDスペクトルからスピンならびに軌遵磁気モーメント,さらに磁気異方性エネルギーの評価が可能である.磁性薄膜や磁性超格子あるいは複合磁性体などでは,異なる原子の内殻励起エネルギーが異なることを利用して元素選択的な情報も得ることができる.このように,ミクロ・ナノ磁性体の研究における光電子顕微法の現状を紹介する.

著者関連情報
© 社団法人 応用物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top