2002 年 71 巻 11 号 p. 1362-1366
インターネットの急成長に伴うネットワークトラフィック急増に伴って,波長分割多重(WDM)光通信で用いられるチャネル(波長)数は急増している.従来,WDM通信では各チヤネルの波長に対応した,固定波長の半導体レーザーを光源として用いてきたが,チャネル数の急増によってこのような方法は困難になりつつある.波長可変レーザーは,1種類の光源で多数のチャネルに対応した波長の光を発生できるため,WDM通信システムを簡略化できる可能性を有しており,注目されている.本稿では,次世代の光通信用光源として期待される波長可変半導体レーザーの最近の開発状況について概観し,通信システムへの応用の可能性について考察する.