応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
分子線エピタキシー法を用いた新銅酸化物超伝導体の合成
バルク合成を超える
内藤 方夫狩元 慎一山本 秀樹
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2002 年 71 巻 5 号 p. 536-542

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抄録

より高い臨界温度をもつ新超伝導体の探索は,超伝導研究の中で最も夢のある研究の一つである.これまでの材料探索は,原料粉末を高温で焼き固めるバルク合成法によって行われてきたが,バルク合成では,旧93年に水銀系銅酸化物で臨界温度 (Tc) 135Kを記録して以来, Tcとの上昇はない.この状況の中で,筆者らは,分子線工ピタキシー法を用いた薄膜合成により,新しい視点に立った超伝導材料探索を行っている.低温成長・エピタキシー・強酸化といったバルク合成にはない特長を生かし,従来の物質合成の枠を超えた高温超伝導材料の開発を進めている.本稿では,物質合成手段としての分子線工ピタキシー法のポテンシャルを展望する.

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© 社団法人 応用物理学会
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