応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
微小球によるメゾオプティツクス
ナノフォトニクスへの可能性
五神 真成田 善廣
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2002 年 71 巻 6 号 p. 671-677

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抄録

直径が数μmの透明な誘電体微小球は小さな体積に光を長時間閉じ込める究極の光共振器として作用する.この共振器モードはWhispering Gallery Mode (WGM) と呼ばれ,しきい値のないレーザーやフォトンレベルで動作する光双安定素子,さらには量子情報技術で重要な単一光子発生器に利用できると期待されている.ここでは,微小球による光閉じ込めについて解説し,レーザー発振,微小球と光の入出力法について解説する.また,ミクロン径の微小球をサイズをそろえて連結させるとWGMが共鳴的に結合する.この結合モードは光波を微小領域で自在に操作することに利用できる.さらに,半導体の励起子ボラリトンモードを利用すると,微小球を100nmにまで縮小しても高いQ値を維持でき,ナノスケールの光共振器として利用可能であることを示す。

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© 社団法人 応用物理学会
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