2002 年 71 巻 9 号 p. 1148-1151
X線透視法において,X線の位相情報でコントラストを生成すれば,吸収では:コントラストがつきづらい構造であってもそれを描出することができる.この位相コントラスト法が近年,注目を集めているが,中でもX線干渉計を用いる方法が特に感度に優れ,生体軟部組織の無造影観察が可能である.血管の観察においても,従来法では重元素を含む造影剤の注入が必要不可欠であるのに対して,血液自体による位相シフトが血管像を生成する.ここでは,シンクロトロン放射光;を用いてこのことを実証した動物粟験;を紹介する.