主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究ではストレス経験をSNSに書き込むことが長期的に精神的健康にどのように影響するのかを書き込みの深さ別に検討した。2018年10~11月にかけて都内の女子大学生計348名に質問紙調査を実施し,計281名分(年齢M=19.94,SD=2.76)を有効回答として分析した。調査では筆記行動(書き込みの深さ別の筆記の有無・比率),精神的健康(ここ1年間のストレス経験,孤独・不安・抑うつ・疲労を含むここ2週間の精神状態)及びここ1年間投稿してきたストレス経験の記憶度に関する項目などを尋ねた。深さについては筆記表現法の教示文を参考に,出来事のみを低程度,それに感情や思考を加えたのが中程度,さらに将来への影響も言及したのが高程度の筆記とした。ストレス経験と記憶度を統制した上で筆記の深さとここ2週間の精神状態との関連を重回帰分析で調べた。高程度の筆記をしたことがある人の孤独感が高く(β=.270, t(74)=2.256, p<.05),中程度の筆記の比率が高いほど抑うつが低い結果が得られた(β=-.210, t(76)=-2.117, p<.05)。中程度の筆記を多く行うことが精神的健康の改善に至る可能性が示唆され,今後因果関係を突き止める研究が望まれるだろう。