日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-109
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3. 社会・文化
妊娠中のカップルの親アイデンティティに関する探索的検討①―母親と父親の親アイデンティティの構造―
*石田 有理加藤 陽子山下 倫実布施 晴美
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抄録

【目的】幼い子どもを持つ親が妊娠・出産・子育てを通して「親としてのアイデンティティ(以下ID)」を獲得していくことが,家族の変化に適応するために重要といえる。本研究では,親になることを意識しはじめる妊娠期における母親と父親の親IDがどのようなものなのかを検討した。

【方法】第一子妊娠中の夫婦(200組)を対象にWeb調査を実施。尺度構成は,結婚満足度,夫婦の関係効力感,産後予測される父親の育児行動評価,親ID,心理的ストレス等。

【結果と考察】父親,母親それぞれ,親ID18項目について因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行った。父親においては,固有値1.0以上の基準で3因子を抽出した。第一因子は「親になることへの不安」(α=.877),第二因子は「親になることに対する自信」(α=.864),第三因子は「親になることへの自信のなさ」(α=.916)とした。母親においても同様に3因子を抽出した。第一因子は「親役割遂行への不安」(α=.918),第二因子は「親役割遂行への自信」(α=.853),第三因子は「親になることへの展望」(r=.443, p<.01)とした。父親と母親の親IDの構造について,妊娠期の身体の変化の有無などから,共通点と相違点を考察する。

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