日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-110
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3. 社会・文化
妊娠中のカップルの親アイデンティティに関する探索的検討②―妊娠期別の親アイデンティティの比較―
*加藤 陽子山下 倫実石田 有理布施 晴美
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抄録

【目的】親としてのアイデンティティ(以下親ID)は,親子関係だけでなく夫婦関係にも影響される。たとえば加藤ら(2019)は,父親の夫-妻関係への支援が夫婦の親ID形成に影響することを示唆している。しかし,これらは出産後の夫婦を対象としており,出産前から親IDが形成される可能性を加味していない。そこで,本研究では,出産前の夫婦の親IDについて探索的に検討することを目的とする。なお,妊娠時期によって母体および夫婦関係が大きく異なることを考慮して,夫婦それぞれの親IDについて時期別に比較する。

【方法】調査は,2020年3月にクロス・マーケティング社に依頼しWEB上で実施した。調査協力者は第1子を妊娠中の夫婦100組。調査内容は,山口(2010)の親ID尺度を参考に独自に作成した「親ID尺度」などを用いた。

【結果と考察】妊娠期(~27週/28~36週/37週~)の3群を独立変数,親ID(母親/父親)の各下位尺度を従属変数とする1要因の分散分析を行った。その結果,父親は有意な差が見られなかったが,母親は「親役割遂行への不安」で有意な差が見られ,37週以降はそれ以前に比べて有意に得点が高く,生産期の母親は親として自分により不安を感じていた。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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