日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-111
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3. 社会・文化
妊娠中のカップルの親アイデンティティに関する探索的検討③―妊娠期の夫婦関係及び産後予測される父親の育児行動評価が親アイデンティティに及ぼす影響―
*山下 倫実加藤 陽子石田 有理布施 晴美
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抄録

【目的】加藤ら(2019)は,父親の夫-妻関係への支援と夫婦の親IDとの関連を明らかにしており,育児中の夫婦の関係性は親IDに影響する可能性がある。このような結果は,まだ実際には育児を行っていない妊娠期にも得られるのだろうか。妊娠期の夫婦の関係性と産後予測される父親の育児行動評価が親IDに及ぼす影響について検討する。

【方法】第1子妊娠中の夫婦(200組)を対象にWeb調査を実施した。質問紙の構成は,結婚期間,妊娠期間,親ID,夫婦の関係性(結婚満足度,夫婦の関係効力性,出産後の夫婦の絆),産後予測される父親の育児行動評価などである。

【結果と考察】父親IDの「不安」や「自信のなさ」,母親IDの「不安」については,主にパートナーの絆が負の影響を及ぼしていた。また,父親IDの「自信」については自身の対子/対母支援や絆,母親の対子支援が正の影響を及ぼしていた。さらに,母親IDの肯定的な側面には自身の絆が正の影響を及ぼしていたが,加えて「自信」には父親の対母支援,「展望」には父親の対子支援の予測が正の影響を及ぼしていた。総じて,否定的なIDについては説明率が低く,引き続き検討を行う必要がある。

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