主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究では,フラストレーションが喚起される場面に対して内的に生起する感情と実際にどのように感情を相手に提示するのかの関係が性格傾向と関連するかについて検討することが目的である。具体的な手続きは以下の通りである。P-Fスタディのようにフラストレーションを感じる場面を協力者に提示し,それに対して喚起される内的感情と,表出感情について自由記述で回答してもらった。そして性格検査としてY-G性格検査に回答してもらった。場面は仕事場面(8種類),公共場面(4種類),自宅場面(5種類),計17つである。またそれぞれの場面は,1.相手と当事者のみの場面と他者もいる状況に分かれ,そして2.自らのミスが原因となっている状況,自分以外のミスが原因となっている状況,善意でやった行為で相手が怒る状況に分かれている。その結果,①内的感情と表出感情それぞれをアグレッションの方向で分け,それぞれの一致具合を9つに分類した。②ズレと性格傾向の関連を見た結果,関連は見いだせなかった。その一方,仕事・公共・自宅場面と感情のズレには関連が見いだされ,また他者の存在と感情のズレ,相手の怒りの原因と感情のズレにも関連が見いだされた。