主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
問題:障害者は健常者からの偏見や差別の問題を抱えている。近年,ドラマ,バラエティなどのテレビ番組で障害者をとりあげる機会も増えたが,その影響についての研究は少ない。本研究では以下の研究課題を立て調査を実施した。
(1)障害者が登場するテレビ番組をよく見る人はどのような障害者イメージを抱いているか。
(2)障害者と交流経験がある人はどのような障害者イメージを抱いているか。
方法:2018年9月に大学生141名を対象に質問紙調査を実施し(1)テレビ番組で障害者を見る頻度(2)テレビで見る障害者イメージ(3)日常生活での障害者との交流頻度(4)日常生活でみる障害者イメージなどをたずねた。
結果:テレビで障害者を見る頻度が多い人は,テレビで見る障害者は「まじめ」で「明るい」イメージを抱いていた(rs=.27, .21, ps<.05)。日常生活で障害者と交流経験がある人は日常生活の障害者を「親しみやすい」と感じていた。
考察:テレビ視聴頻度が障害者のポジティブなイメージと関連していた点は偏見や差別の低減につながる可能性もある。だがメディア表現の偏りもあり,今後の研究が求められている。
本研究は第2著者の卒業論文を基にした。