主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
いじめや不登校など,児童を取り巻く心理社会的問題が深刻化している。こうした背景を受け,児童らの不適応感の改善や,重篤化の予防を目的としたストレス・マネジメント法の開発と実践が求められている。近年では,児童を対象に「身体への受容的な気づき」を重視するマインドフルネス・ヨーガを適用する取り組みが広がりつつあるが,臨床群の児童を対象とした本技法の効果を検討している研究は希薄である。
以上を踏まえ,本研究では,小児精神科外来を利用する児童8名(9.3±1.56歳)を対象に8週間のマインドフルネス・ヨーガ・プログラムを実施し,その効果を量的・質的の両側面から検討した。まず,プログラムの実施前後において,児童とその養育者の両方に対し,参加児童らの生活の質(以下,QOL)を尋ねる質問紙を実施し,本技法が児童のQOLに及ぼす影響を検討した。また,プログラムの感想を尋ねる自由記述式のアンケートを実施し,質的側面からも本技法の効果を検討した。
結果,養育者から見た子どものQOLのうち,「自尊感情」が有意に増大する傾向が示された。また,児童らの感想から,心理的・身体的な不調感の改善に本技法が有効に働く可能性が示唆された。