日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-070
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4. 臨床・障害
インターネット・ゲーム依存傾向の実態(3)―母親の成人愛着スタイルと依存傾向―
*宇惠 弘久保 信代谷向 みつえ島井 哲志
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抄録

インターネットやゲーム依存に関連して成人愛着スタイルが注目され,最近,系統的レビューも報告された(D’Arienzo et al, 2019)。日本でも報告があるが対象は大学生である(川原,2019;藤井,2019)。そこで,ここでは母親を対象として,一般他者を想定した成人愛着スタイル(中尾・加藤,2004)と,これらの依存傾向の関係を検討した。愛着スタイル尺度の下位尺度としての不安得点と回避得点に年代間に違いがなかったので,それぞれの得点分布に基づいて四分位により四群に分けて,休日のネット利用時間について分散分析し比較すると,有意な主効果がみられ,不安が一番高い群では3.7時間と他より1時間程度長かった。不安得点では,ネット依存傾向,ゲーム依存傾向,平日のネット利用時間でも主効果が有意で,不安が高い方がネット依存・ゲーム依存傾向が強かった。ネットとゲーム依存得点を目的変数とし,不安と回避,強み4尺度を説明変数としたステップワイズ法による重回帰分析の結果,ネット依存得点では不安得点(-.285)と統制力(.145)が説明変数として採用され,ゲーム依存では統制力(.257)と不安(-.171)が説明変数に採用された。

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