日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-151
会議情報

4. 臨床・障害
大学生の反すう形成プロセス―失敗経験に対する自伝的推論とポジティブなメタ認知的信念との関係性から―
*梁 嘉慧梅垣 佑介熊野 宏昭
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的

自伝的推論の性質と内容がどのようにメタ認知的信念に影響し,反すう傾向につながるかというプロセスを検討する。その際に,人は過去に体験した失敗経験を手掛かりに自伝的推論を形成すると仮定し,自伝的推論については失敗経験に対する想起と,個人的解釈と理解の評定をもとに検討する。

方法

女子大学生150名を対象に質問紙調査を実施し,相関分析,共分散構造分析を用いて仮説モデルを検証した。

結果

一定の適合度を示すモデルが得られた。教訓・転機因子から,自己因子とポジティブなメタ認知的信念を経て反すうに至る経路と,リハーサル因子を経て反すうに至る経路が示された。

考察

自伝的推論は過去の経験を想起し意味づけることであり,個人が日常的な思考習慣の形成,あるいは思考方略の成り立ちに関連すると考えられる。結果により,自伝的推論の内容によって過去の経験に対する個人の解釈や受け止め方が変わり,それらがメタ認知的信念と反すうの形成に一定の影響を及ぼすことが示された。個々人の反すうの成り立ちを検討する際は,メタ認知的な側面から認知構造に着目すること,そして過去の経験に基づく自伝的推論の観点から検討することが重要と考えられる。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top