主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
目的
高齢者では若年者と比較し表情認知機能に変化が生じているとされているが(Calder, et al., 2003),その背景要因には,気分状態や認知機能の関与が指摘されている(Suzuki & Akiyama, 2013)。本研究では,高齢者の個別の認知機能および抑うつ状態が与える影響について探索的に検討を行う。
方法
対象者:高齢者群として都内A市シルバー人材センターから派遣された30名,若年者群として都内の大学に通う大学生および大学院生23名。高齢者群にのみ,認知機能検査として日本版COGNISTAT (松田・中谷,2009),抑うつ尺度としてGDS-S-J (朝田・杉下,2009) を実施した。
表情認知課題:Kumfor, et al. (2014) で用いられたパラダイムに基づき,日本人の表情画像(Fujimura & Umemura, 2018)から作成し,表情同定課題および表情選択課題を実施した。
結果・考察
高齢者群では両表情認知課題で低下がみられ,怒り・嫌悪・恐怖・驚きの4表情の認知が困難であった。これらの課題成績を目的変数とした回帰分析では,表情同定課題において複数の認知機能と抑うつが関与していた一方で,選択課題では単一の認知機能のみ関与しており,処理過程の違いを反映していると示唆された。