日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PB-041
会議情報

2.人格
ダークトライアドとBig Five人格特性の個人内変動との関連混合効果位置スケールモデルのWinBUGSによる分析
*福島 治
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

自己愛,マキャベリアニズム,サイコパスのようなダークな性格は,いずれも自己観の不安定さがみられると指摘されてきた。本研究では,これらのダークトライアドとBigFive特性の自己評定値に関する個人内変動との関連を検討した。大学生参加者277名がDTDD-JとRosenberg自尊心尺度に回答した後,およそ一カ月間の経験サンプリング法によりTIPI-Jの評定を行った。ダークトライアドの全体得点と自尊心を説明変数,各特性の平均値と個人内分散の大きさを目的変数として,混合効果位置スケールモデルのWinBUGSを使ったベイズ統計により分析した。ダークであるほど外向性と開放性の平均値が高く,協調性は低かった。また,個人内分散はすべての特性でダークトライアドの得点が高いほど大きかった。ダークな性格の人は,BigFive特性の自己評定値が不安定であることが示唆された。自尊心は,それが高いほど神経質性は低く,他の特性は高かったが,誠実性の分散が大きかったほかは特性の分散とは関連がみられなかった。個々のダークトライアドを説明変数とした分析も実施し,ダークな性格の個々の効果についても議論された。

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top