日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PD-110
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4.臨床・障害
思考抑制のどの要素が心配,罰という思考コントロール方略を発動させ,意思とは無関係な侵入思考を招くのか?縦断調査と媒介分析による検討
*義田 俊之
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抄録

思考抑制のどの要素が心配,罰という思考コントロール方略を発動させ,それが意思とは無関係な侵入思考を招くのかを縦断調査と媒介分析で検証した。A大学で講義時間内に調査の目的,プライバシー保護,協力は任意であることを説明し,同意した大学生が,2週間隔で,第1回でWhite Bear Suppression Inventory日本語訳版(Clark, 2005 丹野監訳 2006)(15項目,5件法)に,第2回で思考コントロール方略の測度TCQ-J(義田・中村,2014)(28項目,4件法)に,第3回でWBSIに回答した。3回全てに回答した61名(男性9名,女性51名,未記入1名,平均18.17歳(SD=0.83))にHAD17.0を使用し媒介分析を行った。第1回と第3回の「意思とは無関係な侵入思考」を第2回の心配方略が,第1回の「思考抑制」と第3回の「意思とは無関係な侵入思考」を第2回の心配方略と罰方略が媒介していた。意思とは無関係な侵入思考を他の心配事で置き換えると,意思とは無関係な侵入思考が多い。思考を抑制しようとすると,自責や心配事で置き換えやすく,意思とは無関係な侵入思考が多い。

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