主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
近年,対人関係において関係性を深めようとする動機(接近的社会動機)や対立を避けようとする動機(回避的社会動機)が,対人態度や対人適応に影響することが示されており(Gable, 2005),社会動機が良好な人間関係をもたらす一因であることが明らかにされている。しかし従来の研究は,こうした違いをもたらすメカニズムまでは必ずしも明らかにしていない。対人場面において相手を理解する上では様々な手がかりが存在するが,その中でも重要なものが表情である。そこで本研究では,社会的動機の違いが表情を手がかりとした際の感情価判断に及ぼす影響を検討することにした。予めモーフィング処理によりポジティブとネガティブ感情表情(3種類:幸福と悲しみ/幸福と恐れ/幸福と怒り)を11段階で合成した表情(例えば幸福100 %~悲しみ100 %,5 %刻み)を作成した。実験では,参加者は友人関係に関する社会動機を測定する質問項目(Elliot, Gable, & Mapes(2006)を日本語訳)に回答した上で,表情の感情価判断を計330回(3種類×11段階×10回)行った。今回の発表ではその実験結果について報告する。