主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
本研究は,A. Raineらによって作成されたReactive-Proactive Aggression 質問紙(RPQ)の日本語翻訳版作成の試みである。オンライン調査によって収集した200名の高校生のデータについて,因子構造,信頼性・妥当性の検討を行った。本発表は,下位尺度の併存的妥当性・弁別的妥当性の検討に関するものである。能動的攻撃下位尺度は,身体的攻撃,言語的攻撃,関係性攻撃と.37~.46の有意相関が見られるとともに,非行接近傾向,反社会的行動欲求・同実行,SDQ行為問題と低~高い相関が見られたが,敵意とSDQ情緒問題とは無相関であった。反応的攻撃下位尺度は,身体的攻撃,言語的攻撃とは.24,.38の相関があったが関係性攻撃とは無相関であった。しかし,敵意,SDQ情緒問題とは正の有意相関が見られた。反応的攻撃は反社会的行動欲求・同実行,SDQ行為問題とも低い正の相関が見られたが,能動的攻撃を制御変数とした偏相関係数は無相関となった。以上の結果から,能動的攻撃,反応的攻撃とも併存的妥当性・弁別的妥当性の一つのエビデンスが得られた。