日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第88回大会
セッションID: SS-048
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公募シンポジウム
心像とその構造 発達心理学・認知神経科学からの検討
森口 佑介高橋 英之大谷 康太松田 英子大道 麻由鈴木 啓介
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抄録

心像とは,内言や視覚像といった自身の内面世界に関する像のことを指す。これらの研究テーマは古くから研究されてきたが,その主観的な性質から科学的研究の対象外だと考えられてきた。しかしながら,認知課題の開発や脳機能イメージング,計算論的モデリング手法の発展により,近年では科学的な検討が可能となっている。そこで本シンポジウムでは,発達心理学や認知神経科学の視点から,心像の諸相とその構造を多角的に捉えることを目的とする。特に,ヴィゴツキーが唱えた内言の概念や,内観体験や幻視といった現象について,意識経験としての位置づけを試みる。まず,大谷は,成人と幼児を対象に,カウンティグ課題を用いて内言を客観的に測定することを試みる。次に松田は,小学生に見られる数を擬人化する現象を挙げ,子どもの個性的な内言と抽象的思考の発達との関連について論じる。大道はオンライン調査で収集した個人の内観にかかわる調査結果を報告することで,個人間の心像の多様性について報告をする。鈴木は幻覚・幻聴のような非定型的な知覚体験から,外部知覚と頭の中の心的イメージの現象学的・計算論的な関連性について論じる。

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