PAIN REHABILITATION
Online ISSN : 2759-3355
Print ISSN : 2186-2702
研究論文
変形性膝関節症における患者教育の内容に対する関心度と病態特性の関係 ― 臨床応用を目的とした予備的研究 ―
本田 太一坂野 裕洋
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 15 巻 2 号 p. 8-19

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抄録
【目的】変形性膝関節症に対する保存療法において,運動療法に加え,患者教育を組み合わせることが推奨されている。しかし,患者教育において,教育方法が確立されていないことが臨床応用への課題とされている。一方,教育への関心度に応じて個別化された患者教育の必要性が示されている。そこで,変形性膝関節症患者を対象に,国際的に推奨されている患者教育項目に対する関心度をアンケートにて聴取し,病態特性との関連性を検討した。 【方法】対象者は保存療法が適応された変形性膝関節症患者70 名(K-L 分類:gradeⅠ- Ⅳ)であった。4 編の国際的な変形性膝関節症治療ガイドライン(OARSI,ACR,NICE,EULAR)で推奨される患者教育の項目から「病態」「治療方針」「運動療法」「日常生活活動」に関する17 項目を抽出し,関心度を5 段階のリッカート尺度で聴取した。病態特性は年齢,性別,BMI,罹患期間,K-L 分類,疼痛強度(NRS),機能障害(KOOS:日常生活),破局的思考(PCS),運動恐怖(NRS)を評価した。関心度の判定は先行研究を参考に,平均4.0 点以上である教育項目を高い関心を示す項目とした。さらに,関心度と病態特性が有意な相関関係を認める項目を抽出した。 【結果】患者教育の全17 項目のうち,高い関心度を示したのは「どんな運動がよいか」,「どれだけ運動 したらよいか」,「歩くのは膝によいか」,「痛みの原因」,「歩くと軟骨は減るのか」,「変形は治るか」,「冷やした方がよいのか,温めた方がよいのか」,「症状の管理方法」,「避けた方がよい習慣や動き」であっ た。また,各患者教育の内容に対して,膝OA の重症度や機能障害などの病態特性や,心理・社会的背景に有意な相関関係を示した。特に,中等度(|r| ≧ .400)以上の相関関係を認めたのは,痛みの原因に関する教育内容とK-L 分類に負の相関(r = -.443),減量の必要性に関する教育内容とBMI に正の相関(r = .417)を認めた。 【結論】変形性膝関節症患者では運動療法や疼痛の病態,日常生活活動に関する教育への関心度が高かった。それぞれの患者教育の内容に対して,膝OA の病態特性や心理・社会的背景の違いに応じて異なる関心度を示したことから,病態特性に応じた教育項目の選択が必要であると考えられる。
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