抄録
【緒言】小児・思春期において頭痛を伴う体位性頻脈症候群(Postural Orthostatic Tachycardia Syndrome:POTS)は,日常生活や学校生活に著しい支障を来たす。当院で同症に行っている集学的治療の有効性について報告する。
【方法】2022 年7 月から2023 年6 月に当院を頭痛を主訴に受診しPOTS と診断された35 例(男児14 例,女児21 例,平均年齢13.9 ± 2.0 歳)を対象とした。評価は,POTS 分類,登校状況,頭痛頻度,頭痛評価,身体機能評価,心理評価,ADL,QOL と多面的に実施した。十分な飲水,睡眠と運動を指導し,薬物療法に加えて週1 回40 分間の理学療法を行い,必要に応じて児童精神科と連携して集学的に治療した。頭痛頻度が週2 回以下となり登校に支障がなくなった時点で理学療法は終了し,外来で薬物療法と生活指導を継続した。統計解析は,Friedman's 検定,Cochran のQ 検定を用いて初回・4 週後・8 週後の異なる時期の比較を行った。
【結果】身体型POTS は22 例,心身症型POTS は13 例で,35 例中32 例がPOTS による二次性頭痛であった。頭痛で登校に支障を来している患者は24 例(不登校21 例,早退・遅刻3 例)であった。集学的治療によって35 例中26 例(74.3%)が8 週後に頭痛頻度は週2 日以下に改善し,不登校の21 例中11 例(52.4%)が8週後に登校可能となり,多面的評価項目は統計学的に有意に改善した。
【結論】小児・思春期の頭痛を伴うPOTS 患者に対する集学的治療は有効であった。