抄録
有痛性肩関節疾患では,夜間痛による睡眠障害により生活の質が低下する。本研究では就寝用サポーターの使用による夜間痛に対する即時的な効果について,シングルケースデザインを用いて検証した。著しい夜間痛および肩関節可動域制限を呈する凍結肩症例を対象とした。本研究ではシングルケースデザインを用いて,夜間痛に対する1 ヶ月間のサポーターの使用(B 期)と1 ヶ月間の非使用(A 期)の効果を比較した。夜間痛はVisual Analog Scale(以下,VAS)で評価し,B 期vs A 期におけるVASの比較をNon-overlap of all pairs(以下,NAP)を使用して分析した。さらにAmerican Shoulder and Elbow Surgeons score(以下,ASES),Pittsburgh Sleep Quality Index,肩関節可動域を,各期開始時および終了時で比較した。夜間痛のVAS スコアは,B 期 vs A 期において顕著に改善し,NAP スコアは81%を示した。ASESおよび肩関節可動域はB 期で改善傾向であったが,A 期では変化がなかった。本報告は,夜間痛を有する凍結肩症例において,就寝用サポーターが夜間痛の軽減に即時的な効果をもたらす可能性を示唆している。