別冊パテント
Online ISSN : 2436-5858
均等論再論(均等の第5要件に関する更なる検討)
―ボールスプライン事件最高裁判決(最高裁平成10年2月24日判決)から見たマキサカルシトール事件最高裁判決(最高裁平成29年3月24日判決)―
三村 量一
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2021 年 74 巻 26 号 p. 137-151

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抄録

 ボールスプライン事件最高裁判決が示した均等論は,典型的には出願後に新たな同効材が出現した場合における特許権者の救済を想定したものであり,置換容易性の判断も侵害時を基準とするものである。これに対して,マキサカルシトール事件の事案は,出願時に既に存在した同効材を用いた方法について均等侵害の成否が問題となったものである。マキサカルシトール事件最高裁判決は,特許出願時において既に存在したにもかかわらずクレームに記載されなかった構成についての均等侵害の問題を採り上げて,どのような場合に当該構成について均等の第5要件にいう意識的除外により均等侵害が否定されるかを判示した。本稿は,ボールスプライン事件最高裁判決を前提としてマキサカルシトール事件最高裁判決の判示内容を分析し,さらに,両最高裁判決を踏まえて,出願過程等においてクレームの減縮がされた場合における均等の第5要件についての検討を行う。

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© 2021 日本弁理士会
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