別冊パテント
Online ISSN : 2436-5858
侵害警告と不競法上の虚偽事実告知に係る裁判例
近時の動向及び非登録型知財関係事案を中心に
金子 敏哉
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2023 年 76 巻 29 号 p. 169-191

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抄録

 本稿は、侵害警告についての不競法2条1項21号の虚偽事実告知に該当することを理由とする差止請求・損害賠償請求の可否が問題となった事例について、旧稿で検討対象とした時期以降の近時の裁判例(平成18年8月21日以降)の動向と、当該時期の非登録型知財法制に関する判断事例を中心に検討、概観を行うものである。

 近時の動向については、①21号該当性の判断、②正当な権利行使を理由とする違法性阻却論の主張事例の検討(特に裁判例の現状として過失判断への回帰の傾向が指摘できること)、③過失否定事例では告知時点での非侵害・無効理由等の認識可能性が重要な考慮要素となっているが告知態様などを総合考慮するものも現れていること、④Amazon等のプラットフォーマーへの侵害通知に関する事案の出現が指摘できる。

 非登録型知財法制に係る事案については、著作権について権利の帰属・許諾の範囲に係る事案が多いこと、及び、不競法について商品の形態・包装等の商品等表示該当性(2条1項1号)や形態模倣(3号)に係る事案が多いことが特徴となっている。

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