抄録
その場固化法による多孔質セラミックス成形技術を応用し,廃棄物資源を用いた超軽量セラミックス建材の開発を試みた. ゲル化の際に雰囲気制御が不要である天然ゲルを用い,湿潤成形体および乾燥成形体の特性に及ぼす影響について検討した.湿潤成形体の圧縮試験において,湿潤成形体表面より10mm の距離を押すのに要する荷重は,ゲル化剤添加量の増加に伴い顕著に増加した. 一方成形体の曲げ強度は,ゲル剤添加量よりも気孔率に依存し低下した. この結果より,ゲル化剤の添加は湿潤成形体のハンドリング性向上に有効であることが示唆された. しかし,成形体の強度は気孔率に大きく左右されることが明らかになった.