抄録
一般に、セラミックスを形成する方法は、粉末成形・焼結法が選ばれることが多い。しかし、量産を考えた場合、鋳造法に比べて焼結法は非効率的である。金属と同様に、セラミックスも鋳造法を選択できる可能性を示すために、本研究では、ガラス形成成分を含まない混合物を融体凝固法で作製することを試みた。アークイメージ炉を用いて、3成分もしくは4成分系共晶組成近傍の混合物を溶融し、水冷銅板で冷却し凝固させた。その結果、共晶組成を急冷凝固すると得られやすい準安定相、非晶質体を得ることができた。さらに、得られた非晶質体を任意の温度(800~1000℃)でアニールすることにより、ナノ結晶バルク体を得ることもできた。