抄録
TiOCl2の自己加水分解により酸化チタンを合成し、種々の添加剤が結晶相や形態に与える影響について調査した。0.1M TiOCl2水溶液に4M HCl、4M HNO3をそれぞれ添加し、反応温度100℃で24h加熱した。XRDより、無添加ではアナターゼのピークのみが確認されたが、HClを添加するとアナターゼのピークは消失し、ルチルとブルッカイトのピークが現れた。一方、HNO3を添加したところ、ルチルのみのピークが確認された。0.5M TiOCl2水溶液に1wt%のゼラチンを添加し、反応温度50℃で24h加熱したところ、XRDより、ゼラチン添加に関わらず同様なルチルのみのピークが得られた。SEMより、無添加の場合、針状粒子が放射状に伸びた凝集体であったのに対し、ゼラチンを添加すると針状粒子が分散した粒子が得られた。