抄録
生体活性セラミックスは使用時には常に体液と接触しており、埋入時及び埋入初期の骨再生が始まっていない時点での強度は、乾燥強度と並んで実使用時の重要な参考値となると考えられる。そこで本研究では、生体活性セラミックス多孔体の圧縮試験標準化のため、市販材料に対し、簡便に入手可能なリン酸緩衝液を擬似体液とした各種擬似体内模倣条件が圧縮強度に与える影響を検討した。
ほとんどの試料は、PBSに浸漬するだけで10_%_程度以上の強度低下が認められた。また、ある試料では、浸漬24時間後の圧縮強度が乾燥状態に比べ有意に小さくなった。これらの結果から、推奨体内模倣条件は室温にてPBSに24時間浸漬、測定環境は空気中であると考えられた。