抄録
MOCVD法により、α-Al2O3基板上へLiTaO3薄膜をエピタキシャル成長させることに成功し、その結晶相や配向状態などを系統的に検討した。また、透過型電子顕微鏡を用いて微構造観察を行った。この結果、575℃から650℃付近の範囲内において、LiTaO3は単相で定比で作製できることが分かった。さらに高い温度を用いるとLiTaO3に含まれるLiが不足していくが、それにも関わらずエピタキシャル成長をする。X線回折によって観測された、定比膜に存在するわずかな方位の異なるピークに起因していると考えられる突起が透過型電子顕微鏡によって確認されたが、これはLiが不足したエピタキシャル膜中には確認されなかった。