抄録
炭素材料に対してアルカリ賦活を行うと、高いミクロ孔比表面積を持つ多孔質炭素材料が得られる。本研究では、籾殻を原材料とした炭素材料をアルカリ賦活処理し、多孔質炭素材料を調製し、細孔構造と水素吸蔵特性を調査した。炭素材料をアルカリ賦活すると比表面積は11 m2/gから1813 m2/gに増加した。メソ孔領域の細孔径分布は賦活前後で変化せず、ミクロ孔領域の細孔がアルカリ賦活によって発達することが示された。多孔質炭素材料の水素吸蔵量は導入圧力12 MPa下で、最大で0.44 wt.%であったことから発達したミクロ孔が水素の吸着サイトとして作用したと考えられる。