抄録
表面プラズモン共鳴(SPR)分析は金属薄膜表面空間の屈折率変化を感度良く捉えることが可能である。金属薄膜表面上にアモルファス水素化炭素(a-C:H)膜を作製したSPR素子を用いて、a-C:H膜表面へのタンパク質吸着の検出を試みた。試料として高周波マグネトロンスパッタリング法により作製され、窒素を添加して作製したa-CNx-:H膜と添加していないa-C:H膜を用い、被検出タンパク質にはヒト血清アルブミンを用いた。SPRを用いたタンパク質吸着評価より共鳴角の変化から二つの試料に対し共に吸着の挙動が確認され、異なる構造を持った炭素系膜について、タンパク質の吸着を評価することが可能であることが示された。