抄録
これまで当研究室において応力発光体の発光機構を明らかにするため、様々な解析が行われてきたが、未だ厳密な発光機構の解明には至っていない。そこで我々は、機構解明を目指し応力発光強度の応力応答性に着目した研究を行ってきた。結果として、前に加えた負荷の方向に対して反対方向から荷重を受けることで発光強度が高くなるという、特異な応力発光現象を見出した。このことは応力発光の発光機構に関係したパラメータが応力履歴によって変化していることを示している。そこで本研究では、応力発光機構に関連したパラメータを特定するため、履歴現象前後における表面の組織構造に着目し研究を行った。実験結果から今回、この特異な応力発光現象は表面からみられる組織構造状態に依存しないことが分かった。